「わたしは、ダニエル・ブレイク」
以前借りたときはいまいち乗れなかった映画です
ケン・ローチ監督の映画は、「ケス」をみて好きになった
もう30年ぐらい前の話
それ以降何本かみたはずなんだけど記憶はぼんやり
社会的なテーマを取り上げていること多いから、地味
その時の自分の状態や環境で興味湧かなかったり
乗り切れなかったり…..
今回は何かが私の琴線に触れたようです
イギリスの福祉制度について1度みただけじゃよくわからないけれど
お役所の無味乾燥な対応
オンラインを連呼する職員
繋がらない電話
何かがおかしいってことは詳しくなくたって感じ取れる
ダニエルは大工で、仕事中に心臓発作を起こし医者から労働を禁じられている
国から援助を受けるために手続きをとろうとして
理解できないシステムに疲弊していく
ダニエルが助けるシングルマザーのケイティーが
食料配給のフードバンクで空腹のあまり
その場で缶詰をむさぼって泣き崩れ
「はずかしいことじゃない」とダニエルが
肩をさするシーン
追い詰められたダニエルに光が見えそうになった時
思ってもみないほど簡単に終わりが来る
葬儀の場面でケイティーが読み上げるダニエルの言葉が心に残る
私は依頼人でも、顧客でも、ユーザーでもない。
たかりやでも、物乞いでも、泥棒でもない。
国民保険証番号でも、エラー音でもない。
きちんと税金を払ってきた。
それを誇りに思っている。
地位の高いものには媚びないが
隣人には手を貸す。
施しはいらない。
私は、ダニエル・ブレイク。
人間だ、犬ではない。
当たり前の権利を要求する。
敬意ある態度というものを。
私は、ダニエル・ブレイク、1人の市民だ。
それ以上でも以下でもない。
あっけないほどに幕を閉じる映画の作りが
かえって心を打ちます
ダニエル役のデイブ・ジョーンズがリアル
本当にそこに居る気がする不思議
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